広報と広告の役割を改めて認識しよう
広報の3つのカテゴリー
インターネットやSNSの普及により、製品や社名のPR活動は、多種多様になってきました。広義の意味では、広報と広告は、マーケティング活動の中の一端ですが、マーケティング=広告、広告=広報活動と考える方も多くなってきていると感じますので、ここで整理しておきましょう。
まず「広報」は、3つの分野にわけられます。
- 社外広報
- 社内広報
- PR(広報)(Public Relations)
簡単にいってしまえば、社外広報は社会に向けて行うコミュニケーション活動、情報配信です。社外広報とPR広報は、同じ部署や担当者が行う場合があります。社内広報は、社内に向けて行うコミュニケーション活動です。ここでいう社内とは、グループ会社や関連会社、販売代理店などを含む場合もあります。企業によっては3つの広報を同じ部署や担当者が担う場合も多々あります。そしてマーケティング=広告、広告=広報活動と考える人が多くなってきた要因にPR(広報)があります。PR(広報)は、製品やサービスの発表やイベント実施、キャンペーン案内などを行います。売上に影響を与える可能性のあるものを配信するのがPR(Public Relations)日本語は広報となります。このPRという言葉が、ピーアール=宣伝活動と考える方が多いので、マーケティング=広告、広告=広報活動と思われる方が多いようです。ここからは「広報」として記載していきます。
広報の役割とは?
では3つの広報が担う役割とは何でしょうか?
社外広報は、会社のVision&Mission、Value、経営状況、役員の動向、経営指針や経営陣のメッセージなどを社会に向け広く配信します。広く伝える必要がありますので、主に報道機関を通じて行います。プレスリリース配信でいち早くステークホルダー(利害関係先)に伝えていきます。株式上場している会社であれば、新しい取締役の就任や業績発表、経営者の判断は、会社の株価に影響してきますので、正確に情報配信する必要があります。
社内広報は、社員の仕事への充足感や企業成長への結束を高めるために行うコミュニケーション活動です。社内やグループ会社、販売代理店に向け配信していきます。イントラネットに掲載したり、社内広報誌を利用することが多いです。社員用スマホアプリを利用した配信も多くなってきました。伝えるものは、Vision&Missionの共有と理解の促進、社内の政策や文化、行動を伝えていきます。コロナ分断が叫ばれる中、情報の共有は、益々重要視されてきています。
そして広報は、企業価値や製品価値(ブランディング)の構築や商品/製品やサービスの認知拡大、販売促進活動などを配信していきます。プレスリリース配信など報道機関を通じて行うこともありますが、企業WebサイトやSNSなどを通じて行うこともあります。これが「オウンドメディア」と呼ばれる所以です。マーケティング活動の4P(Products, Price, Place, Promotion)のPromotionの中に位置しますので、マーケティング=広告、広告=広報活動と一緒になってしまうのも良くわかりますが、広報と広告は違います。
広報と広告の違いとは?
広報は、マーケティング活動のPromotionの中に位置しますので、マーケティング部との連携が重要になります。製品/商品の発売に合わせて広報活動を行う場合は、発売日や価格、どこで買えるのか、ターゲットとなる理想の顧客層など、マーケティング部門と歩調を合わせ戦略を練る必要があります。プレスリリースを配信するのであれば、情報の正確性が求められます。
ここで広報と広告の違いを明確にしておきましょう。
広報は、社外に向けて配信するコミュニケーション活動とお話してきました。それでは広告の役割とは何でしょうか? 広告も社外に向けて配信するコミュニケーション活動であることに変わりはありません。ただし広報と広告では担う目的が違います。広報の役割が、製品/商品やサービスの認知拡大であるのに対し、広告の役割は、製品/商品やサービスの販売促進、購入を目的としたコミュニケーション活動ということです。
広報の役割は、商品/製品やサービスにまつわる情報を正確に伝えることにあります。ゴールは購入していただいた後、その製品/商品やサービスを更に好きになってもらうことにあります。SNSのシェアなどは一番望ましい状態です。
広告の役割は、商品/製品やサービスを実際に購入していただくことです。ゴールは、購入という行動を起こしていただくこと、その先のリピート購入や紹介していただいたお友達も購入していただくのが一番望ましい状態です。
上記は広報と広告が上手く連携された理想的な顧客の態度変容モデルです。サプリメントや化粧品などの広報、広告はこのモデルを目指し作られています。BtoB戦略に見られるサブスク(サブスクリプション/定期使用)などもこのモデルの上に成り立っています。広報と広告の連携がうまくいくとこの状態が可能になります。商品/製品やサービスが口コミで広がり、新規顧客が増え、リピート購入につながっていきます。そのために広報とマーケティングが連携が重要となっていくのです。
商品や製品、サービスにより広報と広告の使い方は違います。御社の商品の売り方、伝え方にお悩みでしたらお気軽にAOI.コミュニケーションズにお問合わせ下さい。ご相談は無料です。