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マーケティングコミュニケーションって何?

マーケティングとマーケティングコミュニケーションは違うの?

マーケティング=製品やサービスを売るための戦略を考えること

お客様を訪問してよく聞かれる質問です。こちらでお話したいと思います。

 

製品やサービスを売るための戦略を考える=マーケティング

製品やサービスを市場と対話させる=マーケティングコミュニケーション

 

商品やサービスを売る場所は市場です、市場は、英語でMarket(マーケット)これをDoing(進行形にする)のが、Marketing (マーケティング)です。

商品をどういう市場で、どのように見せたら一番売れるかを考えることなのです。

 

 

マーケティングコミュニケーション=製品やサービスを市場に対話させること

 

そしてMarketing(マーケティング)をCommunication (コミュニケーション=伝達、意思疎通)するのが、マーケティングコミュニケーションです。

 

誰もがパソコン(スマートフォン)を持ち歩く 時代、顧客が情報を入手する方法は多種多様になってきました。企業側の『伝えたいこと』をユーザーや顧客に届けるためには、商品やサービスの魅力を『もっと知りたい』『どうなっているのだろう?』という顧客の興味喚起を促すことにあります。

 

マーケティングコミュニケーションは、これ までの企業視点の『伝える』という一方通行の 広告から、顧客と企業を結び付ける『伝わる』 内容に変えること。WebやSNSで『検索』される『もっと知りたい』と思わせるマーケティング戦略の考え方です。そして伝えたい情報は、顧客の行動を充分に把握したうえで、『購買行動』を起こすまでの道筋をクロスメディアを駆使して創っていかないと賢い消費者に届きません。

 

この製品の効果的なコミュニケーションの手法って何だろう?

 

マーケティングはその言葉自体はなくても、その概念は昔から考えられていました。アメリカから入ってきた言葉ですが、昔から存在している概念をフィリップ・コトラー氏が言葉に変え理論的に発表しただけです。

私は歴史好きなので、歴史に当てはめてマーケティングを考えてみます。

軍師が考えるマーケティング戦略

戦国時代、後世に名を残した武将には、優れた軍師がおりました。

この軍師たちこそ優れたMarketer (マーケッター) つまりMarket(マーケット)をer(する人)でした。

 

この軍師たちは、まず戦う前に対戦相手や戦う市場環境を知ることから始めます。

相手の家族関係はどうなっているか、嫁や子供の嫁ぎ先や養子縁組はどういう状況か?どこの土地で戦うか?その戦いに際し戦場に行くまでの道路事情はどうか?そして敵方が通る道路事情はどうか?武器や食料の備えはどの程度あるか?時代劇によく出てくる、地図を見ながら上層部の甲冑姿の軍師たちが戦略を練っている姿が目に浮かびますね。そして戦いを左右するのがいつ出陣するか?つまり戦いに適した時はいつか?ということです。この戦いにはマーケティングに必要な要素がすべて含まれていますね。

 

わずか3000人の軍勢を率いる織田信長が、25,000人とも40,000人ともいわれる軍勢を率いる今川義元に勝利した桶狭間の戦いは、雨が起因しているといわれます。このような天気では織田もせめてこないだろうと油断して、今川勢が飲み食いしているうちに、織田勢は着々と攻めるスキを狙っていたのです。そして結果はご存知のように見事な織田勢の大勝利となりました。

 

それでは一般的に言われているコミュニケーションの分析手法を紹介します

企業視点の4つのP

By Jerome McCarthy

1961年にジェローム・マッカーシーが提唱した概念

マーケティングの基本分析のひとつとして、現在も利用されています。

  • PRODUCT:製品
  • PRICE:価格
  • PLACE:流通
  • PROMOTION:プロモーション

企業が顧客に製品を届けるための必要な分析内容

 

これだけで良いのだろうか? 

新しいビジネスのあり方が問われる時代、これまでの方法では製品は売れない、これから視野にいれなくてはならないのは何でしょうか?

顧客・消費者視点の4つのC

by Robert F. Lauterborn

1993年にロバート・ロータボーンが提唱した概念

デジタル時代に突入した新しいマーケティングの基本分析のひとつ

  • Customer Value:顧客にとっての価値
  • Cost:顧客が支払う対価
  • Convenience:購買における利便性
  • Communication:コミュニケーション

マーケティングコミュニケーションは、顧客・消費者視点にたった場合の4つのCの中の一つ、『コミュニケーション』を活用する手法としてとらえられています。これまでの企業側からの一方通行的な広告手法から、顧客視点に立ったマーケティングを行うことです。

企業視点に立ってしまうと、「こんなに優れた技術です、サービスです、こんなことが出来ます、これを提供します」といった押し付け的な、広告展開になってしまいますが、ユーザー視点に立つと、『あなたのこの問題をこのように解決できます』『望んでいたサービスはこうすることで手に入ります』・・・という顧客が必要としている情報提供が生まれます。商品やサービスを押し付けるのではなく、ユーザー自身が、その製品やサービスに魅力を感じ、企業の情報にアクセスしてくるという結果を生み出せてこそ、『マーケティングコミュニケーション』の醍醐味なのです。

AISASの法則

1960年代にアメリカで生まれたマーケティングという言葉、その時代はまさに高度成長期、表現力の高い広告をして商品が良ければ売上は伸びていきました。その時代に生まれたのはAIDMA(Attention, Interest,  Desire, Memory, Action) という言葉。Attention/広告して商品を見せ注意を惹かせる。Interest/その商品に興味を持たせる。Desire/その商品がほしいという欲求をおこさせる。Memory/その商品の名前を覚えさせる。Action/店舗でその商品を購入する。という図式です。高度成長期に三種の神器と言われた「冷蔵庫、洗濯機、カラーテレビ」これらの商品は、まさにAIDAMの法則に従って広告していくことで売れていきました。

 

しかしPCが誕生しスマートフォンが誕生し、情報が増え時代はAISASの法則では売れなくなってしまいました。そこで誕生したのがAISASという考え方です。広告代理店の電通が提唱した考え方です。

InterestまではAIDMAの法則と一緒ですが、私達は興味を持った製品はその後インターネットで検索するというしくみを自然とするようになりました。そして内容や評判を確かめてから購入というAction(行動)をおこします。そして購入した商品をインターネットを通じてシェアします。ここでいうシェアは決してSNSだけではありません。お友達や家族に話したりします。それも立派なシェアです。このように現在のマーケティングコミュニケーションは多様化しています。

多様化するメディア

近年の広告を振り返ると、テレビやラジオのCM、雑誌広告、チラシ投函、ダイレクトメール、など消費者に向けた一方通行的なものが主流でした。

1991年にPCが一般企業に登場し、1995年のWindows95によるインターネットの急速な伸びが輪をかけ、WEBサイトは企業にとって必須なものとなり、2008年のスマートフォンの登場は、消費者に情報を届ける新しいマーケティング手法を生み出しました。

 

街中のポスターや雑誌のページには、キャンペーンサイトや商品検索サイトへ誘導するためのQRコードが出現し、内容に興味を持った消費者が自ら情報を検索しSNSを通じて広がっていく時代になってきています。

 

交通広告も大きく変わりました。ターミナル駅では、デジタルサイネージが主流となって駅構内やプラットホームに進出してきました。

電車の社内広告も、今では動画が動いていても誰も驚く人はいなくなりました。アプリの開発が個人でできる時代に突入し、デジタルマーケティングの世界はどんどん進化しています。

 

このように多様化するメディア環境のなか、「企業が消費者に情報を届ける=マーケティングコミュニケーションを成功させる」ためには、「どのメディアを組み合わせるか=クロスメディアマーケティングは、無くてはならない施策になってきました。いかに「自社製品に見合ったマーケティングコミュニケーション手法を見つけるか、そしていつ実行に移すのか」が、今後の製品戦略の課題となるでしょう。

 

マーケティングコミュニケーションは、毎日進歩しています。その時代、その製品、そのユーザーにあった手法を考える時期がやってきました。

 

マーケティングコミュニケーション戦略を活性化していきたいと考えるなら、お気軽にご相談ください。

マーケティングコミュニケーションの手法は多種多様です。その商品により向いている手法はちがってきます。流行りの手法だけが最適とは限りません。成功への近道は、自社以外の意見を聞くこと。そこから新しい考え方が生まれます。

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