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翻訳におけるJIS制定で何が変わるのか

翻訳サービスがJIS制定されました

AI技術が発展していくなか、AI翻訳の技術もずいぶんと優れたものになりました。今では世界で使用されている多くの言葉を簡単に日本語に自動翻訳することができます。皆さまも一度は、機械翻訳を経験されたことがあるのではないでしょうか? 意味を理解するという点では、自動翻訳で十分かなというレベルまで到達してきています。言葉の壁はもはやなくなりつつあるといっても過言ではないでしょう。

 

こういった技術の進歩や社会的環境の変化に応じて、経済産業省は、必要に応じてJISを制定・改正しています。3月は、19件のJIS制定と95件の改正が行われました。そして3月22日には、今回の改定の中でも重要度の高い制定として、翻訳サービスに関するJIS制定が挙げられています。

 

翻訳サービスに関するJIS制定とは?

日本産業規格(JIS)では、台頭する機械自動翻訳との違いを明確にするため、翻訳サービスにおけるJISを制定しました。この制定により、翻訳事業者を利用する際に、翻訳品質を確保する一定の基準を満たす翻訳サービスや翻訳プロセスにおける品質の要求事項が標準化されることになります。今回の制定では、機械翻訳とは違う、翻訳の質の向上が期待されます。また翻訳事業者を利用する際の選択の目安になるかと思います。

下図は、「JISで規定しているプロセスの概要と箇条との関係」を表した図です。JIS制定では、翻訳事業者に翻訳を依頼した場合に、下記の工程により納品されフィードバックをもって一連の工程が終了となります。

 

JISで規定しているプロセスの概要と箇条との関係
JISで規定しているプロセスの概要と箇条との関係

翻訳は大きく分けると3種類

1,産業翻訳

産業翻訳とは、あらゆるビジネスの場面で必要とされる翻訳になります。会社概要や契約書、製品カタログや製品の添付資料、製品操作マニュアル、プレゼンテーション資料など、ビジネスで必要とされる翻訳は、この産業翻訳に分類されます。外国の企業との契約や学術論文の翻訳には、かかせないものとなっています。

 

一方で、産業翻訳といってもビジネスの分野は多岐にわたり、それぞれの専門知識の分野も幅広いというのが特徴です。契約書の翻訳には法律関連の知識も必要ですし、その業界で使用する専門用語も必要となります。製品カタログや添付資料などに使用される言葉は統一性のあるものでなければなりませんし、業界で使用されるスタンダードな言葉の使い方にも注意が必要です。得意分野を確認してから発注されることをおすすめします。

 

2,出版翻訳

主に出版社が利用されるのが出版翻訳です。外国小説や専門書、新聞や雑誌の記事の翻訳などが入ります。ここでは、専門用語や業界知識も必要ですが、購読者がいるという前提になりますので、文章に繊細な表現力も求められます。小説などは、背景となる時代や習慣も読者にわかってもらわなければなりません。作者の表現をできるだけ忠実に日本語にしていく必要があります。時には意訳も必要になるでしょう。

 

3,映像翻訳

文字通り映画や、ドラマなど動きのある映像の翻訳が、映像翻訳の区分になります。企業の製品紹介動画やプレゼン動画もこちらの分類に入ります。映像翻訳は、声優や吹替ナレーターを利用してセリフを日本語に変える「吹き替え」と日本語の字幕を入れる字幕翻訳が該当します。ここで必要となるのが、異なる言語による長さの調整や該当する言葉の表現力です。実際の映像の動きと話す日本語の長さが違っていたら、見ている人は違和感を感じるでしょうし、字幕翻訳の場合は、映像を見ながら直感的に理解できる限られた文字数での翻訳が求められます。

 

いまはYouTubeやfacebookなどを利用して、企業の製品紹介を動画でPRできる時代です。製品へのこだわりや開発ストーリーなどの翻訳は、視聴者視点で考えれば映像翻訳の必要性がよくわかります。ぜひ人間味のある映像翻訳で他社と差別化を図ってみてはいかがでしょうか。

AOI.コミュニケーションズでは、映像翻訳を専門に承っております。外国語の動画に日本語吹き替えや字幕をいれて、人間味のある動画を作成してみませんか?

 

 

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