壬寅は、陽気を孕み(はらみ)春の胎動を助く年
壬寅(みずのえ・とら)の意味するものは?
2022年も早くも2月に入りました。2月4日は旧正月、中国や韓国では本来の意味での新年を迎えることになります。今年の干支は壬寅(みずのえとら)。気学では陰陽を大事にしているので、天の気である「壬」と地の気である「寅」が交わるのは、60年に一度、前年は1962年のことでした。ビートルズがデビューした年です。
では壬寅はどんな意味がある年なのでしょうか?
壬という漢字は、任(にん)に通じ陽気を下に姙む(はらむ)という意味があります。そして寅は、螾(みみず)に通じ、春の発芽という意味があります。つまり寅は春の訪れにつながるという意味を持ちます。
簡単にいうと「寅年は新しい年の始まり」ということです。それゆえに寅年は、何か新しいことを始めると良い年と言われるのです。発芽は成長を促す意味があるので、何か新しい習い事などを始めることに向いている年と言われます。
寅(虎)は色々な例えで使われます。
ここで寅と虎のちがいを簡単に説明します。「虎は動物」で、「十二支では寅」と称します。イラストには虎の絵を用いますが、決して虎年とは言いません。そして動物の虎に見立てて色々な例え言葉があるので少しだけ紹介します。
- 虎の目(とらのめ) → すべてを見通す目 → 物事の判断力と決断力があること
- 虎視眈々(虎視眈眈) → 虎が獲物を狙う目 → 一瞬をすきも見逃さない
- 虎の巻(とらのまき) → ガイドブック、教本 → 正しい知恵、判断を伝える
- 虎に翼(とらにつばさ)→ 最強の動物に翼があれば → 怖いものなし、最強のたとえ
- 虎の子(とらのこ) → 虎は自分の子を大切にする → 大事な人(もの)
- 虎穴に入らずんば虎子を得ず → 虎の子を捕えるため虎の陣地に入り虎の子供を得る → 危険を冒さないと成功は成し得ない
- 虎の威を借る狐 → 虎の威厳を借りて威張る狐 → 弱い者の空威張り
虎は獲物を狙う時に、洞察力や判断力をもってチャンスをものにする動物なので、寅年も虎の本能にあやかり、チャンスをつかめる(幸先が良い)ということ。そこに「壬」が付くので、今年は長年耐え忍んできたものを生み出すチャンス、新しいことに挑戦すると良い年と言われるのです。
五黄土星の意味するものは?
九星気学では、生年月日で生まれた星が決まります。
今年は五黄土星なので、今年生まれたお子さんは皆、五黄土星が誕生星となります。五黄土星は九星の中心に位置します。ゆえに中央を意味する「黄」を与えられました。五黄土星を中心に他の星を支配する運勢の強い星という意味です。ゆえに「五黄の寅(ごおうのとら)」年は、五黄土星生まれで寅年なので、最強といわれます。前年は36年前の1986年でした。
それでは「五黄の寅」に「壬寅」が加わるといったいどんな年になるのでしょうか? 強い運勢の五黄土星の上に「陽気を孕み春の胎動を助く年」の壬寅が重なるのです。新しいことを始めるのに適しているのが良くわかりますね。特に今年は星の盤が定位置に存在しているので、安定した年回り、吉方位が取りやすい年でもあります。一方で、それぞれの星には象意がありまして、その象意が1年の間に起こりやすいと言われています。
では五黄土星の象意は何でしょうか?
地震、津波、台風、腐敗、破壊など少し天変地異が起こりそうな年でもあります。阪神淡路大震災や地下鉄サリン事件は五黄土星の年に起こりました。もしかすると何か起きそうな年でもありますが、大きな地震や事件が世界中のどこにも起きないことを祈ります。
何より今年は「陽気を孕み(はらみ)春の胎動を助く」年、9年に一度巡ってくる五黄土星に一喜一憂するより、60年一度の「壬寅 五黄土星」の年回りを信じて何か新しいことを始めましょう。たくさんの吉を取り入れてくださいね。
2022年の吉方位は北北西
私達は、誕生日からそれぞれの吉方位がちがいます。でも皆に共通してあるのが2022年の「歳福神(としとくじん)」です。今年は北北西です。自宅や会社から北北西に向かうと「吉」が付いてくるという言い伝えです。個人でも使えますし、会社の社員旅行やテストマーケティング、新製品発表会の会場選びに利用したりすると良いでしょう。ただし「土用」だけは避けてください。土用は年に4回あります。いわゆる季節の変わり目という期間です。その期間は土を動かしてはいけないと言われています。地鎮祭や引っ越し、庭いじりなどはNGです。
ご参考までに今年の土用の期間をご紹介します。
春の土用 2022年4月17日(日)~5月4日(水)
夏の土用 2022年7月20日(水)~8月6日(土)
秋の土用 2022年10月20日(木)~11月6日(日)
冬の土用 2023年1月17日(火) ~2月3日(金)
日本でも昔から気学の教えに倣い動く日を決めていました。例えば戦国時代は、戦いに向かう出陣の日は、吉方位を利用していました。凶方位に向かうのは、負け戦に行くようなもの、それゆえに「今日は日が悪い」と言われたものです。創立記念日や設立記念日を誕生日と見立てて吉方位を利用すると良いでしょう。吉方位は、「歳徳神」以外にも生まれ年によって決まっています。
気学の話は奥が深くて話すとキリがありません。もし何か新しいことをする時の日選びに迷ったらお気軽にお声がけください。つたない知識ではありますが、気学という古来の統計学に基づいたお話をさせていただきます。
皆様に取りまして壬寅年が良い一年となりますことを願っています。